供茶付花月は、現在では、幻の花月となっているといえよう。ほとんどの法要には、「花寄せ」が法要の脇で行われ、台子で供茶が点てられて、それをお供えする形式がとられているために、「供茶付花月」自体が行われなくなって、戦後では行われたことがないといっても過言ではない。 法要には、「供茶付花月」を試みてほしいものである。供茶付花月には、二通りの花月がある。一つには、薄茶による供茶付花月であるが、この花月が原因となって、その後、法要では、「ふり茶」の略式が行われるようになったと考えられる。 法要に「フリ茶」として行われる点て方がよくみられるが、 その点て方は、略式であるといってもよい。本来の供茶は正式に立てる濃茶である。その点守り続けられているのは、神社での献茶である。献茶では、正式に濃茶が点てられ、献茶されていることを知れば、納得がいくであろう。もし、神社殿の「献茶」に「フリ茶」の形式が行われれば、「供茶付花月」形式を援用して、点前が行われたと言えよう。 この点を詳しく、A会員ページで述べてみることにしよう。
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